アメリカで興行収入が3週連続で1位、世界的大ヒットとなった映画「アリス・イン・ワンダーランド」(10年)から6年。待望の続編「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」(日本公開中)では、ワンダーランドの住人たちの過去が明かされる。

 船長になったアリスは3年にわたる大航海を成功させ、ロンドンに戻ってきた。しかし、彼女を待ち受けていたのは、父の船を手放すという厳しい現実。途方に暮れる彼女の前に青い蝶アブソレムが現れ、マッドハッターの危機を告げる。アリスはハッターを救うため、再びワンダーランドへ。死んだはずの家族の帰りを待ち続けるハッター。アリスは過去を変えようと、時間の番人<タイム>から時を操る装置<クロノスフィア>を盗む。禁断の時間の旅を始めたアリス、そしてワンダーランドの運命は…?

 映画の魅力は、前作よりも明るくなったコメディータッチ。前作はダークなファンタジーだったが、監督がティム・バートンからジェームズ・ボビンへバトンタッチした本作はもっと明るく、軽快なトーンで描かれている。注目は、新しいキャラクターの<タイム>。時間を旅するアリスの行く手に立ちふさがる悪役だが、彼のころっと変わる態度やうぬぼれたセリフが観客の笑いを誘う。特に、<タイム>がジョニー・デップ演じるマッドハッターと出会うティーパーティーの場面は笑いが止まらない。“時間”に絡む表現やジョークをテンポよく挟むマッドハッターとその仲間たちに、<タイム>がしびれを切らした結果をぜひ見てほしい。

 さらに、より美しく描かれているワンダーランドや、時間という大海原の映像美からも目が離せない。アリスが空から落ちたり、波の中を移動したりする映像は、まるでアトラクションに乗っているかのような感覚を生み出している。

 成長して戻ってきたアリスには、女優として成長したミア・ワシコウスカ。ワンダーランドの住人たちには、マッドハッターのジョニー・デップ、白の女王のアン・ハサウェイ、赤の女王のヘレナ・ボナム=カーターら豪華キャスト陣が再集結した。新キャラクターの<タイム>役には、人気コメディアンで俳優のサシャ・バロン・コーエンが抜てき。前作で監督を務めたティム・バートンはプロデューサーとして参加し、代わって「ザ・マペッツ」(11年)のジェームズ・ボビン監督がワンダーランドの奇妙な世界を描いた。【ハリウッドニュース編集部】