11月20日付で退団する宝塚歌劇団星組トップスター、北翔海莉(ほくしょう・かいり)と、トップ娘役妃海風(ひなみ・ふう)の“プレ・サヨナラ”となるショー「『One Voice』歌声をひとつに…」の公開げいこが2日夕、兵庫・宝塚バウホールで行われた。公演は同所で3~12日まで。

 劇団有数の歌唱力を生かして、1950~90年代の海外の人気ポップスを次々に熱唱。カーペンターズから、アフロヘアでディスコ・ミュージックのほか、ミュージカル・ナンバーも歌い、趣味で習っていたサックスも披露した。

 北翔は98年入団。月組、宙組から専科を経て、昨年5月、柚希礼音(ゆずき・れおん)の後任として、星組トップに就いた。専科から異例のトップ就任を果たし、短期間でのサヨナラとなるが「おなかいっぱい。大満足」と振り返る。

 圧倒的な歌唱力、卓越した芝居心、ダンスと3拍子そろった当代随一の実力派。「1年半3作」での退任には「次の人のためという思いが強かったかな。次代を担う子たちもいて、これからを背負う下級生たちにも、もっとたくさんのチャンスを広げてあげたかった」と話しており、今公演には専科スターとともに、若手も多く出演している。

 新人学年(7年目以内)を卒業したばかりの礼真琴(れい・まこと)も、新人時代から群を抜いた歌唱力を発揮。同期・妃海との「95期デュエット」でも魅了した。