大ヒット曲「上を向いて歩こう」の作詞、放送作家、ラジオパーソナリティーや、ベストセラー「大往生」でも知られる永六輔(えい・ろくすけ)さん(本名・永孝雄=えい・たかお)が7日に肺炎で死去したことが11日、分かった。83歳。

 永さんは高校時代から芸能界に関わり始めた。NHKのラジオ番組「日曜娯楽版」への投稿をきっかけに三木鶏郎さんが率いた制作者集団「冗談工房」に参加、コント作家を経て放送作家の道に進んだ。構成作家を務めたNHK「夢であいましょう」は大ヒット。コントと歌で見せるショーで、洗練された演出で高度成長期のお茶の間に夢を届けた。裏方だった永さんだったが、娯楽番組の司会者、ワイドショーのリポーター、ラジオ番組パーソナリティー、「浅田飴」などのCMと、活動の幅を広げた。

 永さんは「テレビ嫌い」としても知られていた。「時々とてつもないことをしゃべりたくなる衝動に駆られるのが苦痛」と話していたこともある。NETテレビ系(現テレビ朝日)「長谷川肇モーニングショー」では、中継現場で「やめた」と失言したことが原因で、スタッフに専念することになった。

 活動の場は次第に、ラジオ主体になったが、旅番組は別だった。日本テレビ系「遠くへ行きたい」では日本各地を旅し、長寿番組として愛された。