ダウンタウン、ナインティナインらを輩出した若手お笑い芸人の登竜門「第37回ABCお笑いグランプリ」の決勝が18日、大阪・朝日放送(ABC)で行われた。お笑いコンビ、セルライトスパが優勝を飾り、賞金100万円を獲得した。

 セルライトスパは鹿児島県出身のツッコミ担当の肥後裕之(31)、愛知県出身のボケ担当の大須賀健剛(32)のコンビ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属でコントを中心に活動してきた。結成9年目で賞レースの決勝には初進出だった。

 決勝では刑事役の肥後が飛び降りようとする男性を助けるネタに挑戦した。子ども役の大須賀は一言も話さず、男性を説得し、救出するコントを絶妙の間で披露した。1000点満点中、947点の高得点をマークし、816組の頂点に立った。

 4月に社長令嬢の女性(29)と結婚したばかりの肥後は賞金の使い道について「ヨメの家族からかなり援助してもらっている。ヨメの母親には借金50万円があり、この賞金で返したい」と笑顔を見せた。現在、肥後は兵庫県西宮市に新居を構えているが、義母から家賃2万円を援助してもらっている。肥後の芸人としての将来性を見込んでの家族からの“先行投資”だったようだ。

 舞台に登場するだけで笑いを誘う独特のキャラクターの大須賀は「おじいちゃん、おばあちゃん、みんなに笑ってもらえるようなネタを考えていきたい。M-1などすべての賞を狙いたい」と宣言。優勝インタビューで賞金は決勝で争った漫才コンビ、大自然と「飲みたい」と話したが、優勝会見では「あれはテレビトークです」と笑わせた。

 出場資格はデビュー10年以内の芸人。毎年1月の開催だったが、昨年末に復活した「M-1グランプリ」とのすみ分けを図るため、時期をずらしてリニューアル。今年は漫才やコントのほか、落語、ピン芸人などエントリーし、決勝では東西の若手12組が頂点を目指した。