フリーアナウンサーの小倉智昭(69)が、20日生放送のフジテレビ系「とくダネ!」で急性呼吸不全のため死去したタレントの大橋巨泉さん(享年82)への思いを語った。

 「訃報が入りました」と切り出すと、「昭和のテレビ界をずっと引っ張られてこられた大橋巨泉さん、タレント以外でもさまざまな分野で活躍されてこられたのですが、ここ数年はがんとの闘病生活が続いていました。そして今月12日のことです、ついに巨泉さん力尽きました」と、目に涙を浮かべながら語った。

 続けて、「僕は巨泉さんがいなかったら、今、こうやって『とくダネ』の司会をやっていなかったと思うんですね。本当に僕の師匠でもあったし恩人でもあった」とし、「12日亡くなった時、相当うろたえました」と打ち明けた。

 18日の通夜に行ったという小倉アナは、「本当に細くなっちゃって、巨泉さんの面影がなかったのですけど、最後のお別れということで、長年のお礼を言って『ありがとうございました』と巨泉さんにお別れしてきました。まさかこんなに早く巨泉さんとのお別れが来るとは思っていませんでした」と語った。

 また、妻の寿々子さんと話したといい、「去年の暮れに腸閉塞(へいそく)になられて、痛みがつらいものですから、あまり物が食べられなくなって、年が明けてかなり体重も減って歩けなくなって、4月からつらい状況になり、ご近所の病院に入って集中治療室(ICU)に入って」と昨年からの闘病について言及。最近の様子については「最期は言葉も話せなくなって、巨泉さんは口うるさい人ですから奥さんに注文つけたりするのですけど、『ありがとう、ありがとう』って言葉が出なくなってからは手を見せて、3と9でサンキューってやったんだよねっておっしゃって、悲しそうでしたけどね」と明かした。

 また、自分と巨泉さんの関係については、「40年前、競馬場で『小倉君ぼくといっしょに競馬の仕事やらないか』と声をかけられて、巨泉さんが初めて自分の事務所に入れてくれたタレントなんです。『29歳、今別居してるんだって?離婚した方がいいな。オレも29歳で離婚したんだよ』って。随分、乱暴な人だなって。『世界まるごとHOWマッチ』に抜てきされて、今のきっかけができましたし、巨泉さんは、人の媒酌人やらないのですけど、僕たち夫婦の媒酌人やってくれたんですよね。中野に焼き肉のお店を買った時に、お店に来てくれて『ばかだ』って。将来、困ったら焼き肉やラーメン屋に住むのかって。『家持てよ』って。それで僕、今の家を持つことになったし。本当に巨泉さんいなかったら今の僕いないです」と、しみじみと明かした。

 小倉アナは、巨泉さんについて「司会者であったと同時に大プロデューサーだったんですよ。企画の段階から出演者とかも全部決めていく人だったんですけど、そのかわり巨泉さんの言うとおりにやると「お笑い頭の体操」「世界まるごとHOWマッチ」「クイズダービー」とか(視聴率が)30%超えるんですよ」と偉業をたたえた。