歌手八代亜紀(65)が、モンゴルの国民的愛唱歌「JAMAAS(ジャマース)」の日本語カバー曲を10月19日に発売することが28日、分かった。

 同曲は90年のモンゴル民主化運動の指導者で、現在は芸術家として活躍するドグミド・ソソルバラム氏(58)が08年に作詞した。JAMAASとはモンゴル語で「真理」の意味で、曲は人生の意味や死生観を描いている。日本語バージョンは、その世界観をベースに1人の女性の生涯を描き、歌謡曲風にアレンジした。八代は「初めて聞いた時に楽曲の持つパワーに圧倒された。曲のテーマを生かしながら、ドラマチックでスケールの大きい日本版が完成した」と自信を見せる。

 八代とモンゴルの関わりは00年から。駐日大使が大ファンでコンサートを訪れたことがきっかけだ。以来、何度か「モンゴルでコンサートをしてほしい」と要請を受けたが実現には至らなかった。ところが昨春、大使からソソルバラム氏を紹介されたことで、八代がその人柄と楽曲にほれ込んで事態が動いた。すぐに同氏演出によるコンサートが具体化し、昨夏には八代が現地を視察。今月31日に首都ウランバートルで、両国の「文化交流コンサート」の開催が正式決定した。今年5月には「モンゴル国文化大使」にも任命され、来月3日には同国の奇岩景勝地イフガズリーンチェローで日本版「JAMAAS」の献歌も決まった。

 八代は「この曲が日本とモンゴル両国の文化の懸け橋になればうれしい」と、大草原の中での初歌唱を楽しみにしている。