スイス南部の保養地ロカルノで3日から開かれていたロカルノ国際映画祭は13日、「ディストラクション・ベイビーズ」の真利子哲也監督に新鋭監督コンペティション部門の最優秀新人監督賞を授与した。同部門はメインの国際コンペティション部門とは別に審査される。

 今年の国際コンペ部門には、富田克也監督の「バンコクナイツ」と、28年ぶりに復活する成人映画レーベル「日活ロマンポルノ」の新作「風に濡れた女」(塩田明彦監督)が出品された。いずれも本賞は逃したが、若い映画ファンによる「若手審査員賞」を受賞した。コンペ部門の本賞とは別に独立して設けられた賞で、うち「バンコクナイツ」は最優秀作品に当たる「第1席」に選ばれた。

 「ディストラクション・ベイビーズ」は松山市が舞台で、柳楽優弥が演じる1人の男が暴力に取りつかれ、けんかに明け暮れるさまを追う。

 ロカルノ映画祭はカンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭に次ぐ映画祭で、若手監督の登竜門とされる。

 昨年の映画祭では、神戸を舞台にした浜口竜介監督の作品「ハッピーアワー」に出演した4人の日本人女性が国際コンペ部門で最優秀女優賞を受賞した。