SMAPの解散は、リーダー中居正広(43)でも止めることはできなかった。年末で解散すると発表してから一夜明けた14日、解散に至るまでのメンバーの揺れ動きの詳細がさらに分かった。中居は、グループ存続を希望していたが、木村拓哉(43)以外の稲垣吾郎(42)草なぎ剛(42)香取慎吾(39)の意向を受け入れる形で解散を決意した。日刊スポーツでは、国民的グループが下した決断の裏側を探る緊急連載「SMAP解散の真相」を今日からスタートさせる。

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 メンバー間の溝が埋まらない中、ジャニーズ事務所が来年以降のグループ活動休止という結論を出したのは先月下旬だった。今月に入って木村、稲垣、草なぎ、香取の4人は、休業案をいったんは受け入れた。事務所はテレビ局上層部やスポンサーなどに「年内の活動をもって、しばらく休業します」と、内々に報告も済ませた。しかし、スケジュールの都合で、中居には最終的な意思確認ができていなかった。

 まとめ役である中居の気持ちを知ることは、グループとしての最終的な意思確認でもあるため、今月10日に他メンバーも集まることになった。しかしその場に木村の姿はなかった。今月に入って休暇を取り、家族を伴ってメリー喜多川副社長(89)らとハワイに長期滞在していた。木村は既にその時点で休業案を受け入れており、駆けつける必要がないと判断したとみられる。

 事務所関係者を交えた4人による話し合いをする中で事態は急転した。周囲は1~2年間の休業を想定していたが、香取が休業ではなく解散を強く主張。草なぎも解散を主張した。2人の気持ちを知った稲垣も同調した。放送関係者によると、事務所関係者に「休業か解散か」の2択を迫られた中居は、3人の意思を尊重した上で「解散でいいと思う」と返答したという。

 今年1月の解散騒動時、中居は単独で事務所残留を決めた木村に不信感を抱きながらも、グループ存続を希望していた。5人がそろう唯一のレギュラー番組、フジテレビ系「SMAP×SMAP」の関係者に「1、2年休んで、またやればいいんじゃない」と存続を前提にしたプランも明かしていた。グループ活動は同番組のほか、特番出演や全国ツアーをほぼ2年に1回のペースで行う程度。それぞれのソロ活動に及ぼす影響も少なく、グループ存続は十分に可能で現状維持を望んでいたとみられる。

 5月には被災した熊本県を訪れて炊き出しを行ったが、1月の解散騒動以来、グループの活動に対する積極性を失った香取を誘った。中居がプライベートの時間にメンバーを誘うことはめったにない。これまでグループの方向性を決めてきたのは中居と木村。稲垣、草なぎ、香取はいつも2人の意思に従ってきた。中居と木村の間に生まれた溝が埋まらない中、2人に挟まれ、深く心が傷ついてしまった香取を気遣った上での行動だった。

 存続を望みながらも、最終的に「解散でいいと思う」と口にした。めったに主張してこなかった年下3人の意志の強さを感じ、グループ存続をあきらめた瞬間だった。巧みな話術と機転でグループをまとめてきた中居でも、解散を止めることはできなかった。

※なぎは弓ヘンに前の旧字体その下に刀