解散発表3日前、休業ではなく解散を主張した香取慎吾(39)の意見に真っ先に賛成したのは、草なぎ剛(42)だった。

 稲垣吾郎(42)が2人に同調したことで解散が決定的になった。1月の解散騒動以降、草なぎの強い思いが感じられたのはこの日が初めてだったかもしれない。中居正広(44)や木村拓哉(43)、香取の言葉や主張は周辺にも届いていたが、グループやメンバーに対する草なぎの意見や言葉は、不思議なほど聞こえてこなかった。

 関係者によると、ラジオやバラエティー番組の現場でも、楽屋裏でも、グループについて話したり、相談することもなかったという。レギュラー出演するテレビ朝日系「『ぷっ』すま」で18年間コンビを組むユースケ・サンタマリア(45)の前でも、いつもと変わらぬ様子で、関係者も「何事もなかったように振る舞っていました」と話す。共演の若手タレントらには、笑顔で気さくに声を掛ける姿も印象的だったという。

 「沈黙」の背景に見えるものがある。09年に不祥事で逮捕された後、約1カ月間、芸能活動を自粛した。謹慎中、メンバー全員から励ましの連絡をもらっていた。特に、プライベートでも仲が良い香取からは毎日のように電話があり、自宅にも訪問してきた。出演番組などで自分のために頭を下げる香取を見て、2度とメンバーに同じことをさせないと固く決意した。復帰時に「一緒に仕事ができることが幸せ」としみじみと言った。グループに支えられた自分を強く認識しながら芸能活動を続けた。

 香取同様、仕事に恵まれているのはSMAPのおかげと感謝の気持ちを強く持っている。不祥事の影響で脱退してもおかしくない状況から復帰しており、グループで活動できる幸せを人一倍感じている。

 今年5月以降、ジャニー喜多川社長や事務所幹部と面談した際、雑談には応じても、グループの今後の話になると口をつぐむことが多かったという。草なぎの思いが周辺に知られることもなかった。

 メンバー全員に「借り」があるからこそ、意見する立場にはない。そんな思いの末に選んだ「沈黙」だったのかもしれない。