「ここで解散するとは思わなかったね」。芸能関係者の中で業界歴の長い人ほど驚きが大きかった。今年1月、中居、稲垣、草なぎ、香取の4人は、SMAPを手掛けてきた女性マネジメント室長I氏の退社に追随せず、解散、分裂を回避したが、結果的に解散した。ある芸能事務所社長は「覆水盆に返らずか。1度決めたことを翻すのはよほどのこと。この半年間、本人たちも想像つかなかったほど苦しい日々だったのだろう」と話す。

 別の事務所社長は「20年前から常に危ういグループだった」という。98年から毎年大みそかにジャニーズタレント総出演の「カウントダウンライブ」が行われたが、SMAPは出演しなかった。テレビ各局の制作陣にも「I氏派」とSMAP以外のグループを対象にした「藤島ジュリー景子派」が形成された。ドラマや映画でジャニーズの相手役を務める女優も両派に分かれた。「ここ15年ほどSMAPと共演した女優が、嵐やTOKIOらと共演することは極端に少ない。女優を抱えるプロダクションもどちらかとの共演に絞らなければならなかった」。

 I氏としてはSMAPをトップに導くため、違いを際立たせる戦略だったかもしれないが、他のジャニーズタレントと交流させず、業界内にもその影響が及ぶようになったことは、芸能界に妙な緊張感をもたらし続けた。別の事務所社長は「ジャニーズは一族経営で後継者がジュリー氏なのは明白。SMAPの将来のためにも事務所内で協調していくのはI氏の役目だったのだが…」と疑問を呈す。

 「長年のプロデュース方法がSMAPを超人気者に押し上げたが、一方で孤立させ、トラブルの火種を生み出した。解散は必然だったのかもしれない」。SMAPに好意を持つ事務所社長ですら残念がるしかなかった。

※なぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀