落語家の林家たい平(51)が28日、日本テレビ系「24時間テレビ39 愛~これが私の生きる道~」のチャリティーマラソンランナーとして、番組生放送内の午後8時46分、ゴールとなる東京・日本武道館にゴールした。27日午後7時4分にスタートして25時間42分かけて100・5キロを完走した。

 たい平は、武道館の外で春風亭昇太(56)三遊亭楽太郎(66)ら「笑点」メンバーに出迎えられると感極まった表情となったが、涙をこらえながら入場した。2階席に姿を見せると、何度も観客に手を振って階段を下りた。ゴールで待つ師匠の林家こん平(73)の胸に顔を埋め号泣しながら固く握手を交わした。こん平から「やったね。良かったね」と声を掛けられると「師匠のおかげでゴールできました!」と叫んで涙ぐみながら笑顔を見せた。

 27日、多発性硬化症と闘うこん平が激励のためスタート場所に駆けつけた。「がんばれたい平、おれもまけない こん平」とメッセージを書いたタオルを師匠から受け取ると涙を拭いながら走りだした。

 道中、強い雨にも打たれた。苦しい表情で足を止めてしまうこともあったが、沿道の声援に笑顔で手を振って応えた。70キロ付近で既に体は限界だった。「こん平師匠のタオルから気持ちを受け取っていたので最後は気力で走りました」と気力を振り絞ってゴールを目指した。

 落語家になって29年目、国民的人気番組「笑点」大喜利のレギュラーメンバーになって10年、運動はほとんどしてこなかった。ランナーの依頼を受けた時は「しばらく考えました。だけど、何か僕にもできることがあるかなと」と引き受けた。リハビリを続けるこん平のため、「笑点」司会を勇退した桂歌丸(80)に感謝を伝えたいという気持ちを支えに走りきった。