覚せい剤取締法違反(所持、使用)などの罪に問われた元俳優の高知東生(本名・大崎丈二)被告(51)と知人の元クラブホステス五十川敦子被告(34)の初公判が8月31日、東京地裁で行われ、2人とも「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は冒頭供述で、高知被告が10代後半から大麻を、20代に覚醒剤を使用していたと指摘した。検察側は2人に懲役2年を求め、弁護側は執行猶予を求めて結審した。判決は15日。

 五十川被告は茶髪にしっかりとメークを施し、黒いスーツ姿で現れた。検察側の質問には終始冷静に返答し、最後まで神妙な面持ちを崩さなかった。証人として出廷した同被告の父親は「(薬物使用は)全く知らなかった。親として反省している。家族全員で更生を支援していく」と話した。高知被告は五十川被告の薬物使用経験を聞いて誘ったとしているが、五十川被告は「高知さんといるとき以外は使ったことはない」と否定した。周囲からの連絡を絶つため携帯電話も解約したといい、しばらくは実家で過ごしながら更生を目指すという。

<検察側冒頭陳述要旨>

 高知被告と五十川被告は06年ごろに知り合い、遅くとも10年ごろから、ともに覚醒剤を使用するようになった。高知被告は、そのころには大麻も使用していた。

 当初は高知被告が覚醒剤や大麻を入手していたが、14年ごろには入手することができなくなり、主に五十川被告が入手するようになった。購入代金は高知被告が渡していた。薬物を使用した後、残りを分けて自宅に持ち帰り、自宅などでも薬物を使用することがあった。

 16年6月24日深夜、高知被告は以前に使用した覚醒剤の残りと、巻紙に巻いた大麻5本、ポリ袋入りの大麻1袋を持ってホテルに入室。五十川被告も覚醒剤4袋を持って客室に入った。そして、高知被告は覚醒剤をあぶりで使用し、巻紙の大麻2本も使用した。五十川被告は覚醒剤をあぶりで使用した。

 五十川被告は自宅に所持していた覚醒剤3袋も押収された。