京都で行われる年末恒例の歌舞伎公演「吉例顔見世(かおみせ)興行」で襲名披露する歌舞伎俳優の中村雀右衛門(じゃくえもん=60)が5日、京都・妙満寺で成功祈願を行った。

 毎年恒例の会場となる京都・南座(京都市東山区)は耐震改修中のため、今年は先斗町歌舞練場(京都市中京区)で開催される。「顔見世」では初の3部制となる。雀右衛門は第3部で女形舞踊の大曲「京鹿子娘道成寺」で白拍子花子を勤める。同作品の題材となった“安珍・清姫伝説”に由来する鐘が安置されている同寺での祈願となった。

 雀右衛門は「縁の深い霊鐘を前にして、とても思いがこもった鐘だと感じました。『道成寺』は、女方にとって大切な舞踊の1つでもあります。お客様に喜んでご覧いただけるように、父(四世雀右衛)に教えを受けたことも思い出しながら勤めようと一段と心がひき締まる思いです。1カ月の長い興行期間なので、身体もしっかりと準備していくこともあらためて決意致しまた」と意気込んだ。

 公演は11月30日~12月25日。