女性3人組メタルダンスユニットBABYMETAL(ベビーメタル)が20日、東京ドーム公演2日目を行い、5カ月半にわたる世界ツアーを締めくくった。

 ドームが重く激しい金属音に包まれた。「BABYMETAL DEATH」のイントロが流れ、中央から3方向に伸びた花道から、十字架にはり付けにされたSU-METAL(18)、YUIMETAL(17)MOAMETAL(17)が登場。5万5000人が盛大なコールで出迎えた。

 MCもアンコールもないライブスタイル、そしてSU-METALの美声は、いつもと変わらない。一方で、前日の公演とは曲目、衣装、演出まですべて変えるこだわりようだった。メーンステージには、ドーム公演のためだけに作られた、ビル10階分の高さがある円盤状の巨大セットが鎮座。バラード曲「NO RAIN,NO RAINBOW」では、メーンボーカルのSU-METALがエレベーターでセットの最上階に上がり、はるか下の客席を見下ろしながら歌声を響かせた。

 リオデジャネイロ五輪、パラ五輪の閉会式の演出を担当した振付師MIKIKO氏が、デビュー当初から振り付けを担当している。世界的演出家仕込みのダンスを、スクリーム(叫び)、ダンス担当のYUIMETAL、MOAMETALと3人で披露。代表曲「イジメ、ダメ、ゼッタイ」「メギツネ」など12曲を披露した。最後は3人で最上階に上がり、巨大なドラを鳴らして終演した。

 世界ツアーは4月、ビートルズやローリング・ストーンズも公演を行ったロンドンのウェンブリー・アリーナでスタート。米英仏など8カ国で22公演、45万人動員という大がかりなツアーを、ユニット初のドーム公演で締めくくった。メーンボーカルのSU-METALは公演後、「東京ドーム公演が決まった時は実感が湧かなかったけど、集まってくれたお客さんの前に立った時に、今年のワールドツアーを経て、ここまで来られたことを実感しました」とコメント。MOAMETALは「ここまで大きなステージに立てたのは、ワールドツアーを通して出会った世界中のファンの皆さんのおかげ」、YUIMETALも「東京ドーム公演の2日間は、誰か1人でも欠けていたら成立しなかった」と、そろって感謝を口にした。