交通事故に遭い65歳で亡くなったお笑い芸人テントさん(本名・三浦得生)の師匠で元タレントの上岡龍太郎さん(74)が、弟子の急死から一夜明けた28日、大阪市内で「いろいろありすぎて、立ち話で済ますには僕にはもったいない。通夜の日にお話しします」と、沈痛な表情で語った。

 この日、上岡さんは取材に「明日、きちんと、通夜の席でお話ししますから」と意気消沈した様子。テントさんの遺体に既に会ったのか、訃報はいつ聞いたのか、最後にテントさんに会ったのはいつか、相次ぐ質問にすべて「明日、お話しします」と答えた。

 「人間パチンコ」など個性的な芸風で知られ、めったに姿を見せないことから「ツチノコ芸人」とも呼ばれたたテントさん。関西の名物司会者として名をはせていた上岡さんは、シュールな芸風を高く評価し「出てくるのが10年早かった」と、独特の表現でその才能を買っていた。

 引退時には自身の名前を譲ろうとしたほど才能にほれ込んでおり、その弟子の急死には言葉を失った様子。胸にあふれる思いを伝えるには、時間と場所が必要だといい、思い出には「いろいろ、ありすぎることなので…」と言葉を振り絞り、「立ち話で(話しを)済ませるのは、僕にはもったいない」と続け、通夜の席上でしっかり話したい意向を繰り返した。

 また、テントさんは前日27日午後7時50分ごろ、大阪市天王寺区生玉前町の交差点で、乗用車にはねられ、搬送先の病院で亡くなっており、事故現場、搬送先の病院ともに、上岡さんの自宅に近い。このことから、テントさんが上岡さんに会いに来ていたのではないかと問うと、これには「それは違います」と答えた。