映画「永い言い訳」(14日公開)の一般試写会が5日、大阪市内であり、西川美和監督(42)が主演の本木雅弘(50)と登壇。広島生まれのカープ党として、土地柄として阪神ファンだらけの客席に対し、笑顔で“謝罪”した。

 西川監督は「本当にありがとうございます。(阪神の)藤浪君には本当にたくさん投げさせてしまって…。優勝も東京ドームで拝見させていただきました」。阪神に今季18勝7敗と圧倒的に勝ち越したことが、リーグ優勝の決め手のひとつとなった。その象徴として、阪神の藤浪が161球も投げて負け投手になった7月8日の試合を引き合いに出した。

 自分が不倫・密会中に、妻を事故で亡くした男が、妻と一緒に亡くなった女性の家族と出会い、人として成熟していく-。原作・脚本・監督の西川監督は主人公・衣笠幸夫(きぬがさ・さちお)の名前を、あの鉄人・衣笠祥雄氏から引用したという。「いつまでも幼稚な男を端的に表現するには“大きすぎる名前”がふさわしいと思って」と理由を説明した。ただ、横にいた本木は「ボクは野球にうとくて…小学校のころ、友達が下敷きに衣笠さんの写真を入れていたのは覚えています」と、監督の真意にピンとこなかったようだ。

 とはいえ、42歳の女性監督と、50歳の主演男優の関係は相性抜群だった。西川監督が本木について「いまだに『あのシーンはどうです?』とか『僕の演技を本当はどう思っていたか?』とか聞いてくる。面倒くさいでしょ?」と歯に衣(きぬ)着せぬ調子でぶった切ると、本木は「監督は10歳近くも年下なのに、なぜか最後まで頼ってしまう。(自分が)M系と(西川監督が)S系みたいな感じ」と苦笑いしていた。