元AKB48の高橋みなみ(25)が初ソロアルバム「愛してもいいですか?」を12日に発表する。4月にグループを卒業して半年。夢だったソロ歌手としての活動がいよいよ本格化する。この半年間で感じた葛藤や今後の自分について語った。

 「まず私の歌を期待して楽しみに待っていてくれたファンの方々に、お待たせしましたという感じです」

 ロック調からバラード、軽快なポップスまで幅広いジャンルの曲が収録されている。曲を提供したのは、いずれも高橋にゆかりある面々。自ら口説き落としたアーティストもいる。

 「『堂本兄弟』で共演した槙原敬之さんも、お話ししたらすぐに書きたいと言ってくださいました。他の方も快諾してくださり、皆さんとの絆が形になるのはうれしい。制作期間中、いろいろな方とお会いしながら、1曲1曲を作る楽しさを学ばせていただき、新しい自分との出会いも多かったです」

 カナダ人歌手カーリー・レイ・ジェプセン制作の「KISS MISS KISS」ではラブソングの日本語訳に挑戦した。

 「うぶな恋愛観を書き過ぎて(プロデューサーの)秋元康先生から『もっと25歳は大人だ』と怒られました(笑い)。アルバムタイトルも等身大の今の自分だと思います。1人の女性としての経験値や小悪魔性はまだ備わっていないし、タイトル通り、私なんかでいいですかね、という姿勢はそのままだと思います」

 10年間在籍したAKB48を4月に卒業し、ちょうど半年が過ぎた。

 「AKB48ではリーダーとしてグループをどうしていくのかということにしか頭が回らなかったので、今は家でも自分を見つめ直す時間が増えました。逆にAKB48のことはまったく分からなくなりました。たまにメンバーとご飯に行って話を聞くと『へぇ~、そうなんだ』と思ったり、共演した番組で初めて新曲を聞いたり、不思議な感覚で面白いです(笑い)」

 ラジオ帯番組パーソナリティーやイベントの司会など、ソロとして活動の幅が広がっている。グループの総監督としてのリーダーシップやスピーチ力を買われて講演会の依頼も後を絶たない。一方で歌手活動を充実させたい思いとのギャップに悩んだこともあった。

 「本当は卒業してすぐに歌に専念したくて、先行していかない現状にもがいている自分がいました。でも歌だけやりたいというのは自分のわがまま。せっかく求められていることがあるなら、そこに応えるべきだと学びました」

 葛藤も乗り越え、ソロとしてさらに歩を進める。

 「自分の足りない部分も分かっているつもり。自分にいら立つこともあります。でも10年、AKB48でコツコツやってきたので、そこは変わらずやりたい。ずっと言ってきた『努力は必ず報われる』というのは、引き続き実践しなければいけない。証明するのが今の課題です。人の期待を面白く裏切るのも好きだし、ライブもやりたい。毎回違う自分を見せていきたい」

 1年後、どんな高橋みなみを見せてくれるのか、楽しみにしたい。【大友陽平】

 ◆高橋(たかはし)みなみ 1991年(平3)4月8日、東京都生まれ。05年12月にAKB48の1期生として加入。12年8月に48グループ総監督に就任。13年ソロデビュー。現在のレギュラー番組はフジテレビ系「ミライ☆モンスター」(日曜午前11時15分)やTOKYO FM「高橋みなみのこれから、何する?」(月~木曜午後1時)など。著書は「リーダー論」。来月1日に「たかみな日めくり 努力は必ず報われる」発売。愛称「たかみな」。血液型AB。

 ◆「愛してもいいですか?」 高橋のソロ第1弾アルバム。秋元康氏プロデュースで槙原敬之、高見沢俊彦、岸谷香、玉置浩二、OKAMOTO’s、真島昌利、来生えつこ氏ら11組が曲提供。NHK・Eテレ「いじめをノックアウト」キャンペーンソング「あの空」も収録。