NHK大河ドラマ「真田丸」の9日(NHK総合午後8時)の平均視聴率が、15・0%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だったことが11日わかった。

 前週2日は16・6%だった。

 9日の回は、幽閉されていた真田信繁(堺雅人)の元を訪れたのは豊臣秀頼(中川大志)に仕えていた片桐且元(小林隆)だった。

 方広寺の大仏殿建立を進めていたが、鐘に彫る文字の中の「国家安康」について、徳川家康(内野聖陽)が「家康」の文字をバラバラにして呪いをかけるものだとして言いがかりをつけてきたことが発端となり、ついには豊臣家に徳川に対する反逆の心あり、という事態にまで発展してしまったという。

 「徳川が攻めてくる」として、秀頼は豊臣恩顧の大名に書状を出し、大坂城には諸国の浪人も集まっている。且元は、信繁に大坂城に入って兵を率いてくれ、と頼みにきたのだった。

 信繁は断った。大軍を率いたことがないこと。何より九度山村での平穏な暮らしに慣れてしまったこと、そしてそれほど戦(いくさ)が好きではないのだ、と。

 だが心の奥には、行きたい、という思いもあった。

 背中を押したのは幼なじみのきり(長沢まさみ)だった。

 「あなたは何もなしていないじゃない。行きたいなら行きなさいよ」と。信繁は痛いところをつかれた。

 信繁は1人で考えた。これまで会ってきた人々の言葉が浮かんできた。

 翌日、信繁は自分にゆかりのある言葉を書いて、息子にその一文字一文字を切ってつぼに入れさせた。そして「父は名を変える」と宣言した。一文字は父昌幸からの「幸」。もう一文字は「つぼに、ゆかりの深い文字が入っている。一枚引いてくれ」。息子が引いた文字は九度山村の「村」だった。

 「真田幸村」。のちに日本一の兵(つわもの)と呼ばれた伝説の名将、真田幸村の誕生、という回だった。