入団9年目で天海祐希以来のスピード就任となった宝塚歌劇団月組新トップスター、珠城(たまき)りょうが27日、大阪市北区のシアター・ドラマシティで、トップ初作品「アーサー王伝説」の公開げいこを行った。

 「恐れられる王ではなく、愛される王に…」

 りりしい軍服姿の新トップ珠城が朗々と歌い上げ、幕が開ける。

 若くして王位に就き、苦難を乗り越え真の国王へ歩む展開は、一人前まで10年かかる「男役10年」と言われる宝塚で、9年目トップの珠城自身に重なる。珠城も「ご覧になるお客様が、私と重ねて見てくださるなら、それはありがたい」とコメントしている。

 今作は15年9月にパリで初演され、今回が日本初演。「岩に突き刺さった剣を引き抜いた者が王となる」との伝説でも知られ、イギリス・ケルトに伝わる騎士道物語を描いたフレンチロック・ミュージカル。

 珠城は、ケルトの王アーサーを演じ、隣国のグィネヴィア(愛希れいか)を王妃として迎えるが、出生の秘密や王妃の不義に翻弄(ほんろう)されながらも、運命に向き合い進んでいく。

 相手娘役は愛希(まなき)れいかが継続。ともに月組育ちで、新人公演時代から共演しており、気心も知れたコンビ。珠城は新生月組について「エネルギッシュで、明るく。1人1人が個性豊かで粒立っているので、全員が集まった時に大きな波となって届いたらいい」と話している。

 すでに東京公演を終え、劇団の地元・関西での公演を残すのみとなった。シアター・ドラマシティ公演は28日~11月9日まで。