美輪明宏(81)がナレーションを務める映画「追憶」(小栗謙一監督、11月5日公開)のプレミア試写会が27日、都内で行われた。

 太平洋戦争の中でも過酷と言われたベリリュー島の激戦を米国防総省やNHKの映像、生き残った人々の証言から検証した作品。

 美輪は「戦争への思いはたくさんあります。軍人にも立派な人もいれば、どうしようもないサディストもたくさんいた。美しい色彩、文化を持つ日本がなぜあんな愚かなことをしてしまったのか、戦うのは日本でなくなることでした」と独特の戦争観を語った。

 小栗監督は「美輪さんの声を収録するとき、突然、機械が変調してキーンという音が止まなかった。いまだに原因不明です。美輪さんは不思議な人です」と秘話を明かし、奥山和由プロデューサー(62)は「映像が始まると、美輪さんがかわいそうだよねえ、とおっしゃったのが印象的でした。戦争への実感が伝わってきました」と振り返った。