能年玲奈から芸名変更を発表したのん(23)が28日、都内で開催中の東京国際映画祭で、声優を務めたアニメ映画「この世界の片隅に」(11月12日公開、片渕須直監督)のトークイベントに出席した。

 白地にグレー、緑のポイントが入ったワンピース姿で登場し、「すずさんを演じました、のんです。えっと…今日はよろしくお願いします」と、緊張気味にあいさつした。

 第2次大戦中、軍港のある広島・呉市に嫁いできた女性すずが、空襲に襲われながらも必死に日々を生き抜く姿を描いた。役作りについて「すずさんは戦争に嫌悪感を示している人ではないのかなと思って、目の前にある毎日の暮らしを一生懸命に生きる、という部分を意識した」と説明した。

 所属事務所からの独立騒動については語らなかったが、作品について聞かれると、「どんなことがあっても、普通に毎日がめぐってくる。その『普通』がすごくいとおしくなる作品。生きるということに涙があふれてくる。その涙は悲しいものではなくて、何があっても生活を続けるという力強さに心が打たれる」と、意味深なコメントを残した。

 イベントの最後には、来場者からの写真撮影にも笑顔で応じていた。