アニメ映画「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 4 運命の前夜」(安彦良和総監督)が19日から全国15館で2週間限定でイベント上映されることを記念し、5日に東京オペラシティコンサートホールで「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 赤の旋律 -運命の前夜 プレミア上映会-」が行われた。

 安彦総監督は席上で、昨年2月公開の「-1 青い瞳のキャスバル」から「-4 運命の前夜」まで4話続いた「シャア・セイラ編」が完結し、来年秋に公開予定の新編「ルウム編」を制作中だと明らかにした。

 安彦総監督「シャア・セイラ編完結ということで、改めて制作スケジュールを見てみたんですね、2014年からスタジオが始動してもう2年セイラ・キャスバルの成長、まぁキャスバルは成長しすぎですが、無事4話を完結できて安心しております。サンライズさんにシャア・セイラ編を無事作ることができ、お褒めいただき、ルウム編をやってもいいよと言っていただき現在、制作を始めております。ルウム編を終えて、ようやくファーストの前章を語ることが出来ると思っております。19日に公開される劇場版にはバッチリルウム編の予告がくっついています。17年秋上映…今は16年秋なのにどれだけ待たせるんだとお思いかもしれませんが、時間がかかっている分、しっかりと作っていますので、よろしくお願い致します」

 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は、79年にテレビ朝日系で放送された「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)で描かれた「一年戦争」の前の物語。この日はシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)役の池田秀一、妹のセイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)役の潘めぐみらが登壇。池田と潘は、兄妹を演じた作品への思いを語った。

 池田「疲れました。ORIGINは、まずオーディションを受けるところから始まっているんですね、安彦さんの言葉として『ORIGINは新たなガンダムのスタンダードとなる』と(原作の)単行本の帯に書いてあって、その言葉を機に参加しました。いざ始めると、久々にプレッシャーを感じる作品で今、第4話が完結して本当にほっとしております。シャア・セイラ編が完結し次はルウム編がはじまり、気分を切り替えて、また新たな戦場に向かいたいと思います」

 潘「第1話、2話、3話と出演させていただき、今回の第4話で初めてORIGINを客観的に見ることが出来たと感じています。ニュータイプやモビルスーツと、いろいろなものが出てくる本作が、だんだんと私たちが知っているファーストガンダムに近づいていって、このORIGINが、どんどん私たちに近くなっていくのを感じました。また、私はデギン・ザビ、テム・レイ、そしてドズル・ザビと出てくる本作に、お父さんという存在を感じていて、みな人の子であり同じ人間なんだなと感じました。改めて、人間が描かれているのが、ガンダムなんだなと思います」

 潘の母で声優の恵子は、ファースト機動戦士ガンダムで、人気キャラのララァ・スンを演じた。そのララァを「ORIGIN」で演じた早見沙織は、今回の出演に深い思いを抱いたようだ。

 「私は今回、ORIGINに初めての参加で、緊張してアフレコ現場に行くまで足が震え、現場に入って脚本を持てば、手の汗で台本がしおしおになってしまい、本当に終わるまで緊張しっぱなしでした。最後に今日、この場に立てて本当に良かったです。潘さまの役を演じて、潘さまというのは“潘さんのお母さま”を略して“潘さま”と呼んでいるんですけど、お母様の役ララァを演じているんだと心に感じ、さらにガンダムの歴史を感じられて、とてもうれしく思っています」

 またこの日は「-4 運命の前夜」の主題歌「宇宙の彼方へ」を担当した森口博子が、同曲を生披露した。森口も、並々ならないガンダム愛を吐露した。

 「カップリング曲の「Day by Day…きっと」は、守られないという悲しい気持ちから守ってもらえるというストレートな歌詞が本当に素敵。森雪之丞先生のシンプルなメッセージと、服部隆之先生の素敵な作曲に乗せ歌っています。また、「機動戦士Zガンダム」(85年)の主題歌「水の星へ愛をこめて」でデビューし、「機動戦士ガンダムF91」(91年)の主題歌(「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」)を歌い、今回の「-4 運命の前夜」の歌を任されて、本当にガンダムに育んでいただいたと思っております」。