ディーン・フジオカ(36)が「五代友厚」を思い、男泣きした。

 7日、都内で行われた「東京ドラマアウォード2016」の授賞式でのことだ。

 NHK連続テレビ小説「あさが来た」で助演男優賞に輝いたディーンは、このドラマで主演女優賞となった波瑠(25)とともに舞台で笑顔を見せたが、式後の囲み取材で込み上げる思いがあったのか、大粒の涙が両ほおを伝わった。

 幕末から明治の激動の時代を描いたこの作品で、ディーンが演じたのは商都大阪の礎を築いた五代友厚。五代が亡くなってドラマから消えると女性ファンが「五代ロス症候群」となるほどの人気となった。

 「香港からこの仕事(芸能活動)を始めて12年。心の底では日本で仕事をすることは一生ないだろうと思っていた。それが、この仕事をいただいて今のような生活になった。スタッフ、共演者のおかげだし、五代さんのおかげだと思っています。命がけで祖国に尽くした五代さんのような先人がいたから、今こうやって僕のように自由にいろんな国と行き来できるし…」

 言葉を詰まらせながら、収録中の10カ月間、文字通り成り切ったという「五代」への思いを語った。

 インドネシア人のヴァニーナ夫人との間に来年、3人目の子どもが生まれることになり、その喜びも涙の背景にあったのかもしれない。

 「あさが来た」は朝ドラとして今世紀最高の平均視聴率を記録。波留も「この作品に翼をもらいました。このまま走って行きたいと思います」。受賞の2人にとってはかえがえのない作品となったようだ。

 助演女優賞は「僕のヤバイ妻」(フジ系)の木村佳乃(40)。「イタい女を演じるのってけっこうたいへんなんです。私自身はヤバくないので、今後ともよろしくお願いします」と笑わせた。

 主演男優賞は「下町ロケット」(TBS系)の阿部寛(52)だった。