NHK定例放送総局長会見が16日、都内で、行われ、木田幸紀放送総局長が、2019年の大河ドラマの企画が「日本とオリンピックの関わりを題材にした企画に決まった」と発表した。オリジナル脚本を宮藤官九郎氏(46)が担当すると説明した。日本人が五輪に初参加した1912年のストックホルム大会から1964年の東京五輪が実現するまでの約50年を描くという。一方で内容やタイトル、主人公も未定という。

 宮藤氏は13年の連続テレビ小説「あまちゃん」の脚本を担当して以来のNHKドラマの脚本で、大河は初めての担当。「歴史を動かした人物にも戦国時代にも幕末にもあまり思い入れがないから、自分に大河ドラマは無理だと思っていました。しかし、かつては現代劇や架空の人物を描いた大河もあったそうです。『だから大丈夫です。できる題材を探しましょう』という優しい言葉をいただき、だんだん、その気になり、考えたのが『東京』と『オリンピック』の物語。日本人が初めて五輪に出場した明治の終わりから東京に五輪がやってきた1964年までの約50年。戦争と政治と景気に振り回された人々の群像劇。歴史に動かされた人と町の変遷を1年かけてじっくり描く予定です。まあ、こんな大河もたまにはいいよね、と大目にみてもらえたら幸いです」とコメントした。

 木田氏は「宮藤さんらしい感覚の壮大で新しい大河ドラマになると期待している」とした。舞台は明治から昭和まで。大河ドラマで近現代史を描くのは86年「いのち」以来33年ぶりとなる。

 NHKの番組担当者によると、主人公は「実在、架空を含めて何人かを考えている。主人公が途中でリレーする可能性もある」という。企画意図は、2020年の東京五輪を前に盛り上げたいという意味とこれを機会に日本の近代史を振り返りたいからと説明した。