今年のNHK大河ドラマ「真田丸」で千利休を演じた上方落語家、桂文枝(73)が26日、利休ゆかりの地で自らの生まれ故郷でもある堺市内で堺名誉大使委嘱式に出席し、利休切腹について独自の解釈を披露した。

 「利休も茶々(淀君)にほれていたと思うんです」

 文枝によると、脚本の三谷幸喜氏から「今までになかった千利休にしたい」と言われ、自身も研究。茶人ながら豊臣秀吉政権に関わり、果ては切腹に追い込まれた利休について、思案をめぐらせた。

 文枝は「切腹についても(理由は)諸説あるんですが、ドラマの中で、僕が茶々に頼まれ、(大徳寺楼門の)改修を手がける場面があって…」と説明。その流れのセリフで、茶々に楼門の改修をめぐり「ずいぶん大きい」と言われ、文枝演じる利休が「寸法、間違いました」と返す場面があったことをその理由とした。

 文枝は「そんな、寸法、間違えるわけないから、ちょっとでも茶々に大きく見せようと思うて、わざとやったんじゃないか」と考え、演じていたと明かした。

 茶々といえば、織田信長の妹、市の娘で秀吉は側室に迎え、淀君として後に秀頼を生んでいる。実際、利休切腹の理由には、大徳寺楼門の改修をめぐる説が濃厚と言われるが、文枝はその背景に「茶々への横恋慕」があったと解釈したという。

 これには集まっていた堺市民580人や、竹山修身堺市長(66)も「なるほど」と感心。竹山市長から、堺をテーマに創作落語を作ってほしいと依頼されると、文枝は「堺には(仁徳天皇陵など)古墳群もあり、もっと研究して全国に堺を広めたい」と約束していた。