今月28日に覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された歌手のASKA(本名・宮崎重明)容疑者(58)が30日午前、拘置先の東京湾岸警察署から送検された。

 午前8時24分ごろに同容疑者を乗せたシルバーのワゴン車が同署地下駐車場を出た。同車内のカーテンの隙間から、後部座席中央に座り、メガネをかけて無表情で前を見つめる同容疑者の姿が確認できた。現場には約100人の取材陣が集まり、無数のフラッシュがたかれていた。

 同容疑者は「自分が前回逮捕(14年5月)されて以降、クスリなんか見ていない。絶対にやっていない」と供述しており、雑談には応じる一方、「弁護士に会うまでは一切話さない」として、容疑の取り調べに対しては供述をしていないという。逮捕のきっかけは、25日午後7時ごろに、同容疑者がかけた110番通報で、「盗撮されているから確認してほしい」との内容だった。捜査関係者によると、同容疑者からのこのような110番通報は初めて。当時は妻も在宅しており、同容疑者は警察官を居間に通して応対した。この時、注射器など覚せい剤を使用するための器具などは見つからなかったことも判明した。

 警視庁組織犯罪対策5課は29日に自宅を家宅捜索したが、使用器具などは見つからず、iPad(アイパッド)と外付けハードディスク11台を押収した。携帯電話などの通信履歴を含め、覚せい剤の入手先についても調べる。また、薬物への常習性を調べるために、再度の尿検査や毛髪の鑑定を検討しているという。