通算28回目のNHK紅白歌合戦出場が決まった演歌歌手、坂本冬美(49)は1日、大阪・梅田芸術劇場で、コンサート「恩師 猪俣公章氏を謳う」を開き、猪俣氏作曲のデビュー曲「あばれ太鼓」などを歌った。

 客席からは「紅白おめでとう!」の声も飛び「年々、演歌勢が厳しくなって、でも私個人的には、今年は30周年なので、何とか出たいと思っていました。ちょっと、猪俣先生にも恩返しできたかな」と、安心したように笑った。

 一方で、今年の紅白報道をめぐり「世代交代」の文字を目にし「切なくなりますよね。複雑な心境です」とも口にした。

 30周年の今年、ツアーも開いてきたが、この日の地元関西での公演は、猪俣氏に捧ぐ特別編成。森進一の「港町ブルース」、五木ひろしの「千曲川」、都はるみの「おんなの海峡」など、猪俣氏が手がけた先輩の楽曲も熱唱。猪俣氏への思い出には「明るくて、でも、1人になるともの静かで、二面性をお持ちやった」と振り返った。

 恩師への思いを込めたステージ、客席のファンも歌声に魅了された。それゆえ「いつもは、あばれ太鼓で始まったら、とくに関西のお客さまは爆発するんですけど、今日はちょっと雰囲気が違いましたね」と感じたという。

 しんみりムードが漂い「ちょっと失敗したな」と苦笑。それでも、元気が魅力の坂本らしく、ステージを右へ左へダッシュ。先輩・都はるみのお株を奪うような走りっぷりを見せ「ちょっと(都)はるみさんを意識しました。はるみさんは今、休業中なので、私が!」と笑っていた。