来年1月24日に任期満了を迎えるNHKの籾井勝人会長(73)の再任が極めて困難な情勢であることが2日、関係者の話で分かった。会長の任命権を持つ経営委員会内で、籾井会長の手腕を疑問視する声が相次ぎ、全委員12人のうち、任命に当たって放送法が定めた9人以上の同意を得られない見通しとなったという。

 籾井会長は1日の定例会長会見で再任について「話があった時点で考える。今は何も考えていない」と述べていた。経営委は6日に次期会長の指名部会を開き、籾井会長のほか各経営委員が推薦する会長候補を選考。年内にも新会長を決める運びとなっている。

 14年1月に就任した籾井会長は「政府が右というものを左というわけにはいかない」。また、従軍慰安婦問題について「どこの国にもあった」などと発言し、問題視された。その後も私用のゴルフで乗車したハイヤー代金をNHKに請求するなどしたとして、経営委から注意を受けた。