ジャニーズアイドルが共演する舞台「ジャニーズ・オールスターズ・アイランド」が3日、東京・帝国劇場で開幕した。本人役で出演するSexy Zone佐藤勝利(20)が父親が死去していたと告白する場面があるが、9月に実父を亡くしており、実話を物語に反映させている。公演後半、メンバーともみ合いになった後、うずくまって泣きだす。「父さん、死んじゃったんだよ。本当に死んじゃったんだ」。迫真の演技に観客も静まりかえった。

 佐藤は開演前、父の死を物語に取り入れるアイデアは作・構成・演出のジャニー喜多川氏の提案だったと明かした。「最初は悩みましたが、父にとっても花道になるかなと思って」。姉には「お父さんが一緒に帝国劇場のステージに立つような誇らしいことなんじゃない」と言われた。

 57歳だった父親は、病を患ってからも舞台やライブを8月まで見に来ていた。「勝利」は父の命名。「父の思いも背負い、僕は絶対に負けられないという気持ちがさらにこみ上げてきました」。

 ジャニー氏は「物語というよりドキュメントのような舞台。『事実は小説より奇なり』。事実の重みが、きっとお客さまにも大きな勇気を与えることでしょう」と話す。公演は来年1月24日まで。【横山慧】