公開中のアニメ映画「君の名は。」(新海誠監督)が、5日現在で興行収入200億円を突破した。配給の東宝が6日、発表した。8月26日の公開から102日間で、日本での公開作品では歴代5位の200億600万円を記録した。

 邦画の200億円突破は、アカデミー長編アニメーション映画賞を受賞した「千と千尋の神隠し」(宮崎駿監督)以来、史上2作目。10~20代を中心にリピーターが続出しているほか、世代を超えて客層が広がった。観客動員数は1539万人で、今や国民の8人に1人が見た計算だ。新海監督は「映画には、時に社会とつながる力があるのだということを教えられた。『どのような物語を、今、なぜ作るのか』ということを、これからも観客の皆さんとともに考えていきたい」とコメント。東宝の川村元気プロデューサーは「自分たちが作っている物語が(多数の人に)接続されたことはうれしいし、良かったと思うけれど、当惑の方が大きい」と話している。

 当初の予想興収15億円を大きく超える大ヒットに、作品の舞台になった岐阜・高山などを訪れるファンが続出し、「聖地巡礼」という言葉が今年の流行語大賞のトップ10に入った。東宝は興収80億円超えの「シン・ゴジラ」のヒットもあり、営業利益を140億円増の470億円へと大幅に上方修正した。一方で、写真を同作の画風に加工できるアプリが東宝から著作権上の問題を指摘されるなど、数々の社会現象を巻き起こしている。