覚せい剤取締法違反容疑(使用)で逮捕され、不起訴処分となった歌手ASKA(58)は釈放から一夜明けた20日、複数回ブログを更新し、無実を訴え続けた。逮捕前の任意の尿検査で提出した液体が、尿ではなくお茶だった理由も説明。スポイトを使ってお茶を提出したことを示唆し、無理やり立件されることを恐れた行動だったとの主張を展開した。

 ASKAは、釈放から約2時間後の19日午後9時ごろ「不起訴でした」というタイトルのブログを記した。20日も午後7時現在で、さらに2回更新。1件目では「なぜ、僕が検尿で、お茶にすり替えたのか? これは、2014年に逮捕された時からの経緯が含まれています」とつづり、逮捕前に行った任意の尿検査で尿ではなくお茶を提出したと主張した経緯を明かした。

 ASKAは11月25日夜に「盗聴、盗撮されている」と自ら110番通報。自宅にきた警察官が任意で尿の提供を求めると素直に応じた。科捜研で鑑定したところ同28日、覚醒剤の陽性反応が出たため逮捕に至った。ブログでは当初自宅に急行した警察官が、14年に覚せい剤取締法違反などの疑いでASKAを逮捕した警視庁組対5課に電話。5課の捜査員が自宅にやってきたと説明した。

 ブログによるとASKAは当時、任意の尿検査が行われることを想定し「意味不明なことを言っているので検尿した。発表しかねません」と懸念したことを説明。「目の前にお茶がありました。仕事部屋に置いてあったスポイトを思い出しました。尿ではなく、スポイトで吸い上げたお茶を出してみよう。見つかった時には、素直に検尿に応じればいい」と、尿の代わりにお茶を提出するプランを思い付いたという。

 実際、スポイトでお茶を採尿容器に入れたとする状況については具体的に言及していないが、「これは、もう何をやっても事件にしようとするだろう」「尿を出してしまったら終わりだ。必ず、陽性にされてしまう」と、無理やり立件されることを恐れた末の「お茶提出」だったと主張した。

 2件目のブログでは「あれでは、警察が一方的に悪者になってしまいますね。失礼しました」と警察を気づかうなど揺れる心境をうかがわせた。そして「実は、陽性になったのには、ひとつの理由があるのです。科捜研に間違いはないと思います」「まだ語ることができない理由があります」「近いうちに、詳細を語らせていただきます」と、提出した液体から陽性反応が出たという疑問に対する「真相」があるかのごとく、含みを持たせた。最後に「これだけは、言えます。僕は無実です」とつづり、一貫して潔白を主張した。