覚せい剤取締法違反(使用)容疑で逮捕後、不起訴で釈放された歌手ASKA(58)が22日、ブログを更新した。その中で、逮捕前の任意の尿検査で、尿ではなくスポイトで吸い上げたお茶を提出した裏事情を説明した。

 ASKAは、2014年5月17日の逮捕時に、取り調べを受けて警察に話した内容と違うことがメディアで報じられた上、その内容が「僕にとって、マイナス以外何ものでもない発言に変えられて」いたため、警察に対し、強い不信感を抱いたことが“スポイトお茶提出”の大きな要因だと指摘した。

 「2014年5月17日の逮捕時、取調べと言う名のもと、様々なことを喋りました。どこを切り取られて発表されたとしても、相手は警察です。メディアのような興味を引く内容にはならないと思ったからです。違いました。僕が取調べで答えた内容とは、違うものが発表されたからです」(原文のまま)

 当時、弁護士からは「こうなってしまうから何も喋らないように」と指示があったが、黙秘した場合、マイナスに捉えられる可能性を懸念し、丁寧に自供に応じ、出来た調書にも目を通し、自供内容に間違いがないことを確認し、1枚ずつ指印を押したにもかかわらず、メディアの報道は「僕にとって、マイナス以外何ものでもない発言に変えられていました」という。担当刑事に、その件について問いただしたところ「私は、そんなことは発表していないんだよ」と答えられたとした上で「これでは、捏造を繰り返すマスメディアと変わらないじゃないか」と、当時の憤りをつづった。

 その上で、今回のお茶の提出について「僕にとって、思いつきであり、一瞬の大きな賭けでした」とした。その上で「僕が答えた内容は、世の中には見えません。捻じ曲がって広がっていきました。今回のことを、口頭で説明することは、ひじょうに困難です。遡れば、2014年5月17日からの出来事、いや、さらに、その2年前から始まっていたことなのですから。今回、これをお伝えするのには、誰の言葉も借りず、誤解のないよう、別の形で文字にしたいと思っています」と、ブログ以外の形で、文書として発表する可能性を示唆した。

 ASKAは11月28日に警視庁に逮捕されたが、勾留期限を迎えた19日、東京地検が嫌疑不十分で不起訴処分とし、ASKAは同日夜、東京湾岸署から釈放された。現在、新曲の制作のために、福岡にある実家に身を寄せている。ASKAは「僕はミュージシャンです。生まれた楽曲を、皆さんの元に届けたい。これ以上の気持ちは必要ないでしょう。さて、失った20日間を取り戻さなくては」と新曲制作への強い意欲をつづった。