英ロック歌手スティング(65)にインタビューした。いわずとしれた世界的なミュージシャンであり、記者が青春時代にはまった「ザ・ポリス」のスティングに話が聞けるのはうれしさ半分、緊張半分だった。

 今のように情報があちこちに無かった80年代、情報は自分で調べるしかなかった。当時の洋楽情報は雑誌主体で、TV番組では「ベストヒットUSA」しか無かったと記憶している。同番組で「見つめていたい」を聞いた瞬間からファンになった。当時田舎在住だったのでレコード店にアルバムが無く、「シンクロニシティ」を取り寄せてもらったのを覚えている。

 そんな興奮を抑えつつインタビューに突入。ポリス初期の名曲「SO LONELY」PVは日本を中心に撮影したもので、つかみのつもりで冒頭その件について触れると「あれ、そうだっけ?」とつれない返答だった。そこで本題のニューアルバムの話題に変えた。しかし、突然「思い出したよ! そうだね。日本の地下鉄で撮影したやつだ」と破顔一笑。「よく覚えていたね。私でも忘れていたようなことなのに。間違いない」とスティング。「それだけファンなんです」という事は言葉に出来なかったが、この件でインタビューの雰囲気は一気に変わったように感じた。

 聞きたいことはいくらでもあったのだが、ゆるされた時間は写真撮影込みで30分。最後の5分を写真撮影に当てたが、その際「なんであんなベースラインを弾きながら歌えるのか」という単純な疑問をぶつけてみた。スティングは「ギャラを2倍もらわないとね!」というコメントで関係者やスタッフを笑わせた。

 記者はゴルフ好きだが、ゴルフ発祥の国出身ということでゴルフについて聞いてみたが「1度もしたことがない」で話が終わってしまった。しかし、サッカーは見るのも、やるのも好きで「(出身地のチームである)ニューカッスルは今プレミアから降格しているけど、すぐに戻って来るから注目していて」とまるで少年のように話したのは印象的だった。

 2ショットで写真を撮って欲しかったのだが、さすがに言えなかった。それは今でも後悔しています(笑い)