昨年大みそかに放送された「第67回NHK紅白歌合戦」の第2部(午後9時~同11時45分)の平均視聴率が関東地区で40・2%(関西地区39・5%)だったことが2日、ビデオリサーチの調べで分かった。前年の紅白ワースト記録39・2%を1ポイント上回り、40%の大台に乗せた。第1部(午後7時15分~)も35・1%(関西地区34・0%)と前年を0・3ポイント上回った。

 SMAP出場辞退で平均視聴率が心配された紅白だったが、関東地区で40・2%と辛うじて40%の大台に乗せた。ただ、89年に紅白が2部制になって以降では下から5番目の数字。08年以降では、前年のワースト記録に次ぐ低い数字だ。関西地区では前年を3・5ポイント下回った。

 NHKは20年東京五輪に向け新しい紅白を目指し、さまざまなチャレンジを試みた。セカンドステージを設けたり、審査員席も位置を変えて少し豪華に。演出面もAKB48の出場者を初めて「夢の紅白選抜」と称して一般投票で選んだ。40%は制作陣の工夫と熱意、努力が実った形といえる。

 嵐の初大トリ、宇多田ヒカルが英から中継で初出場、ピコ太郎や星野源の歌唱に合わせた新垣結衣の恋ダンスなどの要素もあった。さらに魔裟斗対五味隆典の打撃ルールでの対決などが目玉だったTBS系「KYOKUGEN」や、フジテレビ系で放送した総合格闘技大会「RIZIN」が、いずれも紅白2部と重なる午後9時台の視聴率が前年を下回ったことが追い風になった可能性もある。

 ただ、紅白最大の目玉になる可能性があったSMAPが出場を辞退した影響は小さくなかった。出場していれば劇的な視聴率が見込めたが、不在で強力に視聴者をひきつけられず「前年よりも上がったが低い数字」という結果に終わった。