貫地谷しほり(31)が出演する舞台「ハムレット」(4月9~28日、東京芸術劇場)の制作会見を取材した。

 貫地谷はオフィーリアを演じるが、この役をオーディションでつかんだ。貫地谷といえば舞台版「ガラスの仮面」で主人公の北島マヤを演じるなど、舞台で存在感を放っている。

 舞台関係者に貫地谷の魅力を聞いたことがある。1つに語尾が明瞭なことを挙げてくれた。特に若い俳優は、言い出しや途中がはっきりしていても、語尾がぼんやり、ごにょごにょとしてしまうことが多いのだとか。舞台に限らず、ドラマや映画でも同じことが言える。貫地谷のせりふは明瞭で、語尾まで大事にしているのが分かるという。

 そのポイントを聞いて、貫地谷の舞台を見てみたら、確かにそうだ。1つ1つの音がはっきり聞こえる。弱々しく話す場面でも、感情が高ぶっている場面でもそうだ。せりふを投げっぱなしにしない、と言えばいいだろうか。縦に横に斜めといろんな方向に振れる役の感情を丁寧に、かつ、エモーショナルに演じていた。

 貫地谷が「どうしても出たい」とオーディションを受けて勝ち取ったというオフォーリア役。「ハムレット」での貫地谷を今から楽しみにしている。