退任するNHK籾井勝人会長(73)が19日、最後の会長会見を行った。1期での退任となったが、「放送という縁がなかった世界で、決断と実行を実践し、まっすぐな生き方ができた。とてもハッピーだったと実感しています」とあいさつした。

 3年前の就任会見から「政府が右と言っているものを我々が左と言うわけにはいかない」などの問題発言が連発され、トップの姿勢が問われた。これまでの失言騒動を振り返っての後悔はあるかとの質問には「(記者たちが)えらいしつこかったので私見を述べた。発言したことは国会ですべて取り消してしますので、皆さんからワーワー言われる筋合いではない」とした。

 また、自身が提起した受信料の値下げ案が経営委員会で認められなかったことに「理解しがたい」。今後のNHKに期待することとして「できるだけプロパーの方が会長を担えるNHKを期待しています。役職者らがわれらのNHKという意識を持つことが重要」とした。

 籾井氏は三井物産副社長などを経て2014年1月に会長に就任。後任は、元三菱商事副社長の上田良一氏(67)が就任する。