沖縄県・石垣島の自宅に大麻を隠し持っていたとして大麻取締法違反の罪に問われた元女優の高樹沙耶(本名益戸育江)被告(53)と、共犯とされる会社役員森山繁成被告(58)の初公判が23日、那覇地裁で開かれた。高樹被告は「私のものではありません」と、起訴事実を否認。森山被告は「私のもの」と認めた。

 法廷に現れた高樹被告は紫色の襟なしのシャツにカーキー色のカーゴパンツに、青いサンダル姿。落ち着いた様子で背筋を伸ばし真っすぐ前を見据えた。森山被告とほほ笑み合うなど、余裕を感じさせる場面もあった。高樹被告は大麻使用について、「2、3年前、親知らずを抜いて後遺症がひどく、月に4、5回を使っていた。医療大麻に信頼を置いていた」と主張。ただ、罪に問われる共同所持については「森山さんのもの」と、繰り返した。次回公判は2人別々に行われ、来月6日に開かれる。

 この日は、注目の裁判ということで36席の傍聴席を求めて423人が列をつくった。那覇地裁によると「過去の記録はない」としたが、関係者は「ここまで並んだ裁判は記憶にない」と驚いた表情を見せていた。