昨年の石原プロモーション「次世代スター発掘オーディション」でグランプリを獲得した神田穣(21)がNHK・BSプレミアムの連続ドラマ「クロスロード~声なきに聞き形なきに見よ~」(5月28日スタート、日曜午後10時)で俳優デビューすることが3日、分かった。神田はこの日、横浜・総持寺で舘ひろし(66)ら石原プロの先輩たちと節分の豆まきに参加した。

 舘は豆まきを終えると「今度初めて一緒に芝居をするんです」とうれしそうに神田を紹介した。神田は「緊張しているんですが、勉強してきたことを生かして頑張りたい。すごくうれしい。両親も喜んでくれました」と満面の笑みを見せた。昨年4月、グランプリを獲得。その後は演技のワークショップに参加するなどデビューに向けて準備を重ねてきた。

 「クロスロード」は、舘が刑事、神田正輝(66)がジャーナリストを演じたダブル主演の連続ドラマとして昨年放送された。デビュー作となる今回の作品はその続編。神田は新人のエリート刑事を演じ、舘演じる刑事とコンビを組む。アナログな捜査を進める舘演じる先輩が「刑事ってのはな」と言うと、すかさず「昭和ですね。悪い意味じゃなく」と切り返す場面もあるという。

 神田は、大先輩との共演がやりにくいかと聞かれると苦笑いした。舘が「『やりにくい』って言いにくいじゃない。これでそう言ったら、たいしたもん」とけしかけると、神田は「やりにくいです…」。舘はその言葉に爆笑しながら「内面的なところが引き出されるといいなと思う。僕の前では猫をかぶっているけど、ヤンチャらしいので、そういうところが出てくればいいなと思う。心のこもった芝居をすればいい」とエールを送った。

 神田は、米国で野球のトライアウトに合格した異色の経歴を持つ。鍛えた体を生かしたアクションへの期待も高まる。刑事を演じるにあたり、書籍などで警察組織を調べ、演じる役の背景を深めるなど準備を進めている。13日の収録初日に向け、父親の知人の刑事にも話を聞きに行く予定だ。

 豆まきには、石原プロ所属の徳重聡、金児憲史、池田努、宮下裕治、岩永ジョーイも参加した。【小林千穂】

 ◆神田穣(かんだ・じょう)1995年(平7)7月22日、埼玉県生まれ。高校3年の夏に野球のトライアウトを受けて渡米。カリフォルニアのエルカミノカレッジ在学中の昨年4月、1万5218人の中から選ばれてグランプリを獲得。柔道やキックボクシング、空手、総合格闘技の経験もある。趣味は筋トレ、料理。176センチ。