映画の祭典「アカデミー賞」を主催する映画芸術科学アカデミーが6日、ビバリーヒルズのホテルで今年の同賞候補者が一堂に会する昼食会を開催した。過去2年は俳優部門の候補者全員が白人だったことから、「白すぎるオスカー」と批判されたが、今年は過去最多となる6人の黒人がノミネートされており、多様性が協調された昼食会となった。

 トランプ米大統領が発令したイスラム圏7カ国からの入国を禁止する大統領令に抗議し、外国語映画賞にノミネートされたイラン映画「セールスマン」の監督と主演女優が26日に開催される授賞式をボイコットすることを表明する中、「この部屋にいくつかの空席があり、そのことが芸術家たちを活動家にさせた」とシェリル・ブーン・アイザック会長。「米国は障壁ではなく、灯台であるべき。我々は表現の自由を制限しようとする人々に立ち向かう」と語り、160名を超える出席者たちから大きな拍手が送られた。

 昼食会には最有力候補と言われる「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングをはじめ、マット・デイモンやニコール・キッドマン、デンゼル・ワシントンら多くのスターが出席。会場ではスターたちが談笑したり、記念撮影する場面が見られるなど、リラックスした雰囲気に包まれていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)