放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は10日、沖縄の基地反対運動を扱った東京MXテレビの番組「ニュース女子」について審議入りし、放送倫理上の問題の有無などを検討することを決めた。

 報道陣の取材に応じた弁護士の川端和治委員長は、外部の会社が制作した同番組について「明らかに事実の間違いを報じ、番組考査の段階で全く見逃されているのは問題になり得る。十分な考査をしたか審議する」と説明した。

 MXテレビからは同日、番組での表現や事実確認などで適切でないところがあったという趣旨の報告を受けたという。今後、担当者からさらに詳しい説明を求めていく。

 審議の対象は1月2日の放送。沖縄の米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設工事に反対する運動について、出演者のトーク内容に合わせ「反対派は日当をもらってる!?」と字幕で伝えるなどした。

 同番組を巡っては、虚偽の内容で名誉を侵害されたとして、ヘイトスピーチ(憎悪表現)反対団体「のりこえねっと」の辛淑玉共同代表がBPOの放送人権委員会に申し立てている。

 MXテレビは「審議入りを真摯(しんし)に受け止め、今後の審議にも誠意をもって協力します」とのコメントを発表した。