撮影中に左足首を骨折した三池監督は、木村の話を受けて「俺の足が折れたのは老化現象。バキッといって『あぁ、これはいった』と思ったんだけど(残りの撮影を)2カット撮って病院に行ったら、病院に行ったら、『折れています』と…。翌朝、出発は6時でした」と笑った。木村は「そういうことになったら、椅子に座られたり負担をかけないものですけど、三池さんは常に現場にいていただける方。ローリングストーンズのステッカーをいっぱい張った松葉づえをついて、現場にいてくださった。松葉づえには(監督の存在を周囲に知らせる)自転車のベルがついていた」と言い、笑った。

 杉咲花(19)は、天津影久率いる逸刀流(いっとうりゅう)に両親を殺され、万に用心棒を依頼する少女・浅野凜を演じた。「木村さんは、画面に映っていない時も、私の目線にいる時はお芝居をしてくださる。ケガをされた時もアクションしてくださった。それが、ありがたくて…そのおかげで、現場に立って、本当に目の前で起きることを受け取ることが出来ました」と木村に感謝した。それを聞いた木村は「それは、みんながやっていらっしゃること。特別なことはない」とサラリと答えた。

 天津影久役の福士蒼汰(23)は「キャッチコピーにあるように“ぶった斬り”エンタテイメントがピッタリの映画」と胸を張った。尸良役の市原隼人(30)は「快楽に走る野郎を演じた。三池監督の作品が好きで、今までの時代劇の常識を一新する作品」と笑みを浮かべた。乙橘槇絵役の戸田恵梨香(28)は「こんな本格的なアクションが初めてだったので…しかも女剣士をどこまで出来るか不安だった。出来上がったのを見て、三池さん、さすがだな、救われたと思った。全キャスト、格好いいです」と三池監督に感謝した。

 三池監督は「原作の名前を汚すことなく、日本の役者とスタッフの志の高さを世界中の人に再認識してもらえる作品になった。自信を持って公開まで進みたい」と、海外への挑戦に自信を見せた。【村上幸将】