昨年、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕後に不起訴処分となった歌手ASKA(58)が17日、出版された著書「700番 第二巻-第三巻」(扶桑社刊)で、尿検査の検体にお茶を仕込んだ真相を明かした。

 14年の逮捕の際、警察から虚偽かつ不利な発表をされたことなどで、不信感を抱いたという。昨年の逮捕の際に「シロでもクロにする人たちです。『まともに尿を出してしまったら終わりだ』と思ったのです」と、あらかじめスポイトに仕込んだお茶を提出したと、検察とのやりとりで告白している。

 自宅のトイレで行った採尿では、捜査員も付いていたという。「検査で、スポイトを発見されてしまったら、素直に検尿を受けようと思った」とし、「背後は少し気になりましたが、カップにはお茶を注入できました」と明かした。

 ところが、最初の逮捕前に使用していた検尿キットのスポイトを使ったため、その成分が検出されたと推測。その読み通り、後日スポイトから覚醒剤が検出されたという。

 当初は裁判でこれらの事実を明かすため、検察にも黙秘するつもりだったが、実母が末期がんでクリスマスを迎えられないと宣告されたため、検察での供述に踏み切ったという。「3カ月、4カ月後とも言われる今回の裁判、僕に保釈はないでしょう。時間がないんです」と、検察に不起訴処分を訴えたという。実母は今年1月に死去した。