NHKが16日に、新年度番組を担当する新キャスター発表会見を行いました。既存の看板番組の司会やキャスターが大幅に変更となりました。ただ、実力と知名度のある東京勤務のアナウンサーを中心にシャッフルとも言える形です。今後、さまざまな影響がありそうです。

 「クローズアップ現代+」は、昨年、女性アナウンサー7人がテーマに合わせて交代で出演する形になったばかり。4月からは武田真一アナが1人で担当。「ニュースウオッチ9」は昨年スタートしたばかりの「ニュースチェック11」の桑子真帆アナと有馬嘉男キャスターが担当します。「うたコン」はエンターテインメント番組は初めての小郷知子アナが司会。

 NHKは「クローズアップ現代+」について「番組の定着感。毎日、キャスターが日替わりになるというのは定着感が薄くなるというのが大きかった。それとテーマに合わせて人を選べればいいが、実際にはうまくいかないこともあった」。また、キャスターの大幅な変更には「担当する方の今後の可能性もある。若い人たちの力を伸ばすことも必要」と説明しています。

 NHKは民放と違い、全国各地に地方局があり、ほぼ3年に1度のペースで、東京と地方、または地方間での人事異動が行われます。キャスターの変更は人事異動に伴い必然ですが、今回は、会見で紹介された地方から来たアナウンサーの出演は数人だけ。今後、地方から異動で東京に来たアナウンサーの看板番組出演は狭き門になる気がします。

 また、人気と実力のあるアナウンサーに頼って、各番組に対する視聴者の評価を高めたいという意図も感じます。本来、扱うテーマなど番組の内容が最も大切なはずですが。

 民放が情報、報道系の番組を、時間をかけて育てるのに対し、今回のNHKは対照的な印象。来年、また大きなキャスター変更をするような事態となれば、番組自体が視聴者に浸透、定着しなくなる危険もあります。