松竹芸能と、YouTubeに動画を投稿するクリエイター「YouTuber」のマネジメントなどを行うUUUM(ウーム)の業務提携会見が5日、都内で行われた。

 両社の業務提携の目的は、オンラインタレント育成だ。松竹芸能の井上貴弘社長は「60年、お笑いの商売をやってきて、芸人を育成してきました。地上波のテレビで活動することが目的でしたが、最近、メディアが多様化し、世界に活躍するタレントが出てきた。そのノウハウ…オンラインで活躍できる芸人を作るのを目指したい」と提携の意義を語った。

 松竹芸能は大阪本社と東京支社で面談を行い、9人のオンラインタレント1期生を選んだ。この日、選ばれた秋山ペイソン、がっちゃん、カモメ、しまけーすけ、林直人、よこおりょうすけ、けんちゃん.T、向山、平田ぽーが紹介された。

 UUUMの鎌田和樹代表取締役CEOは「オンラインで通用するタレントを作りたい。僕らがテレビに行くわけじゃない。昔は(タレントは)1人じゃないと成功しないと言われましたが、いろいろな人が成功するインターネットの中で、新しいタレントを作りたく、提携しました」と語った。

 その上で、オンラインタレント1期生に「(インターネットタレントで成功するための)ノウハウを集中して投下する。1年間は最低、テレビへの出演は禁止」と厳しい条件を提示した。「テレビがゴールじゃない。テレビに行きたいかというと、そうじゃない。リアルにやっていきたい」と強調した。

 YouTuberのプロデュースをはじめ、イベントも開催するUUUMにとって、イベントの場所確保も提携の大きな意義だという。松竹芸能は東京と大阪に劇場「角座」を持っており、鎌田CEOは「角座を使わない手はない。単に育成じゃなく、次にいく取り組みをしたい」と今後に期待した。

 井上社長は、「米ニューヨークに、オンライン専用劇場が出来たらいい」と、世界進出の夢を口にした。【村上幸将】