「レオン」(94年)、「フィフス・エレメント」(97)などで知られる、フランスのリュック・ベッソン監督(57)の新作「ヴァレリアン・ザ・シティー・オブ・プラネッツ」(原題「Valerian and the City of a Thousand Planets」、18年公開)の最新映像が9日、東京・有楽町朝日ホールで行われた、キノフィルムズラインアップ発表会で初公開された。

 フランスから直送されたもので、日本での公開は初めて。映像は製作途中のものだが、約6分間に及んだ。特殊効果や音などは不完全だが、700年後の大宇宙を舞台にした作品らしく、宇宙船が飛び交う宇宙空間での戦いは、光線などの美しさが目を引く。主人公ヴァレリアンを演じる米俳優デイン・デハーンと相棒を演じる英女優カーラ・デルビーニュが、異星物に追いかけられ、ジャンプして逃れるアクションシーンは、スリル満点だ。またヴァレリアンが戦ったり、町で遭遇する異星人たちの造形は多岐にわたり、かつ生々しい。

 冒頭には、ベッソン監督本人が登場し、作品について説明した。その中で「特殊効果を使ったシーンは『フィフス・エレメント』は188カ所だったが、今回は2734カ所だ」と、特殊効果の数だけで約15倍に及んでいることを明かした。その上で「まだ作っている途中だが、映像から作品の雰囲気は伝わるだろう」と言い、満面の笑みを浮かべた。

 「ヴァレリアン・ザ・シティー・オブ・プラネッツ」は、フランスの漫画家ジャン・クロード・メジエールとピエール・クリスタン原作の漫画「ヴァレリアンとロレリーヌ」の実写映画化作品。原作は1967年から2010年まで連載され、「スター・ウォーズ」シリーズにも影響を与えた世界的な長寿SF漫画だ。ベッソン監督も子どもの時から好きだったといい、「フィフス・エレメント」以来、20年ぶりとなるSF映画のメガホンを取った。【村上幸将】