元AKB48島崎遥香(22)が出演する日本テレビ系ドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」(土曜午後9時)がクランクアップを迎えた。

 昨年末にAKB48を卒業後、初めての連ドラ出演だった。堤真一(52)と小泉今日子(51)を両親に持つ左江内家の長女、はね子を演じた。クランクアップ当日に収録現場に足を運んでみた。常に明るい表情で、積極的な姿勢を感じた。

 率直に言って、とても楽しそうな現場だった。福田雄一監督が、積極的に出演者たちとコミュニケーションをとり、島崎の弟を演じる横山歩(8)をからかったり、かわいがったりしていた。時に予測不能な行動をとる横山と、島崎がじゃれ合う。堤と小泉は優しい目で見守る。昼の休憩時間には、堤、小泉、島崎、横山の「家族4人」でテーブルを囲んで食事していた。こうした一連のことが、和やかな現場の雰囲気を作り上げる要因になっていると思えた。

 島崎は元来、人見知りする性格だが、クランクインして3日目には現場にとけ込んでいたという。「現場に来るのがいつも楽しみでした」。表情を見る限り、心から楽しんでいるように感じた。

 AKB48メンバーだったとはいえ、もうアイドルではない。今はもう、1人の女優、タレントとしての活動が始まっている。

 AKB48卒業から間もない今年1月、所属事務所のスタッフと、今後について話し合う機会があった。自分から「ファンのためにこういうイベントがしてみたい」「公式ホームページを作るなら、こういう風にしたい」と積極的に自分の意見を言ったという。

 今回の取材中も、積極的な姿勢を感じる言葉をいくつも口にした。「同じ出演者の方々と、パート2がやりたい! お願いします」。

 島崎を数年間取材してきたが、こんな言葉は初めて聞いた気がする。AKB48時代も、多くのドラマに出演していたが、アイドルスターとして、ライブに握手会、写真やPVの撮影などスケジュールは多忙で、そのどれもを「こなす」ことが精いっぱいになってしまった部分があるのかもしれない。

 実生活では10歳年下の弟がおり、家族思いと聞く。幼い弟がいる設定の今回のキャラクターは、はまり役だったのかもしれない。

 3月30日に23歳になる。大卒社会人の年齢だ。それでも島崎は、まだまだ高校生も演じられるルックスを持っている。今回は、1話完結タイプの脚本なので、ストーリーに汎用(はんよう)性もある。女優として積極的になった島崎のアピールも案外、実るかもしれない。