ビートたけし(70)が16日、都内で行われた米映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」(ルパート・サンダース監督、4月7日公開)来日会見で“たけし節”をさく裂させた。

 劇中で荒巻大輔課長を演じたたけしは、冒頭のあいさつから言いたい放題だった。

 あっ、どうも、ご苦労さまでございます。やっと幸福の科学からも出られて、今度は統一教会に入ろうかと思っていたんですけども…やっぱり、この映画のためには、創価学会が1番いいんじゃないかな、という気がしないでもないんですけども。

 清水富美加の幸福の科学出家問題を絡めた、時事ネタジョークで会場を笑わせた。その上で、役者として、映画人として、ハリウッドの大作に出られた喜びとともに、主演の米女優スカーレット・ヨハンソン(32)への敬意を口にした。

 初めて本格的なハリウッドの、コンピューターを駆使した、すごい大きなバジェット(予算、製作費)の映画に出られて、自分も大きな経験でしたし、役者という仕事をやる時に、どう振る舞うべきかというのは、スカーレットさんに本当によく教えていただいた。さすがに、この人はプロだと日本に帰ってきて思っております。

 たけし自身、97年に「HANA-BI」でベネチア映画祭金獅子賞を受賞した世界的な映画監督でもあり、撮影の違いを感じた部分について質問が飛ぶと、次のように答えた。

 自分が監督をやる時は、非常に簡単に1テイクをやる。カメラも3カメラくらいしか使わないんですけど、ハリウッド映画は5、6カメラあり、ただ歩くシーンだけでも、日本で役者をやるつもりで歩いたら、歩くシーンでも30カットあるくらいの撮り方をする。これは、お金がかかるなぁと、つくづく思いました。

 「ゴースト・イン・ザ・シェル」は、士郎正宗氏が1989年(平元)に「海賊版ヤングマガジン」に発表した漫画が原作。電脳化やサイボーグ化した人間が多数混在する日本を舞台に、内務省直属組織「公安9課」が犯罪を事前察知し、防止や犯罪者全滅を目指して戦う物語だ。

 アニメは、押井守監督が95年に「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」と04年に「イノセンス」08年に「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0」と3本の長編劇場版を手がけた。その後、神山健治監督がテレビシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE CONPLEX」を制作し02、04、06年に放送された。さらに11年には、同監督による長編劇場版「攻殻機動隊S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D」が公開された。

 13年には、黄瀬和哉総監督、作家の冲方丁氏が脚本を担当した「攻殻機動隊ARISE」が、1部60分前後の中編で全4部作で製作され劇場公開、有料配信、ブルーレイ販売が行われ、15年にはテレビでも放送された。同年には映画「攻殻機動隊 新劇場版」が公開された。

 この日は、たけしとヨハンソンのほか、ピルー・アスベック、ジュリエット・ビノシュ、サンダース監督が出席した。【村上幸将】