女優有村架純が主演する次期NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(4月3日スタート、月~土曜午前8時)は、かなり期待が持てそうです。

 先日、第1週6話分の試写を見ました。1964年の茨城県の農村を舞台に物語がスタート。田舎の、のどかな景観に加え、劇中、登場人物たちが「高校三年生」「いつでも夢を」など懐かしい曲を口ずさみ、64年当時の実際の映像も織り込まれます。田舎で育った中高年は懐かしさ、郷愁に誘われるはず。

 娘が父を思う優しい気持ちなど家族愛も、何げない日常の一コマから自然に、かつ、しっかり伝わります。また、有村がもんぺ姿で稲刈りをする場面も。有村は「体重を5キロ増やしました」と話していましたが、日焼けして、ちょっとふっくらした姿は何ともかわいらしいのです。

 第1週を見ただけですが、ハラハラ、ドキドキする大きな事件などは起こりません。笑いも無理のない範囲。お涙頂戴もなし。しかし、見ていて飽きないし、不思議と幸せな気持ちになります。すべてがほどよい加減。押しつけがましくないのが魅力。一歩間違えば、低レベルな位置で安定する危険もある中、脚本と映像、俳優の演技力が高いレベルでうまくかみ合っていると感じます。

 第1週に子役を起用し、主人公の子供時代を描く作品が多々ありますが、第1話から有村本人が登場。視聴者は最初から物語の世界観に入ることができます。

 不安要素は、田舎を知らない、便利な生活に慣れている今どきの若い世代がどう感じるか、くらいでしょうか。大ヒットの予感がします。