熊本市出身の歌手石川さゆり(59)が25日、熊本城公園で開催された復興イベント「九州がっ祭」に特別ゲスト出演した。

 同イベントは毎年3月に開催される「火の国YOSAKOIまつり」を熊本地震復興1周年として九州のお祭りを集めた「九州がっ祭」として開催された。

 石川は45年前の同日、熊本市内水前寺体育館でデビュー。「どうしてもこの日に熊本で歌いたかった」という石川の夢はこのステージでかなった。

 「熊本城に向かって歌っていると胸がいっぱいになります」と話した後に言葉を詰まらせたが、「みなさんからお帰りといわれるのが本当にうれしいです」と笑顔を見せた。「みなさんに『がんばって』といわれてスタートしましたが、今度は『みんなでがんばろう』でスタートしたいです。デビューは小さかったけど、こぎゃん(大きく)なったとよ」と熊本弁を交えて会場をわかせた。

 イベントでは、この日発売の新曲「百年の抱擁」をコンサート初披露。大ヒット曲「津軽海峡・冬景色」やデビュー曲「かくれんぼ」など計5曲を集まった約2000人に披露し、「早く元気な熊本を取り戻してください」とエールを送った。

 またこの日、熊本地震復興支援チャリティーオークション「MUDEF(ミューディフ)」を代表して石川から大西一史熊本市長に約2100万円の寄付金目録が贈呈された。石川は和装小物3点を出展した。

 「今何が出来るか、何を発信すべきかを考えながら歌を作り、歌っていきたいです」。歌手石川さゆりの45周年は熊本城からのスタートとなった。