V6岡田准一(36)主演映画「追憶」(降旗康男監督、5月6日公開)完成披露会見が4日、東京国際フォーラムで行われた。

 今作では、高倉健さんの映画を7本、ともに作り上げた降旗監督と木村大作カメラマンが9年ぶりにタッグを組んだ。木村氏が「三回忌を過ぎた健さんの映画を(降旗監督と)7本やった。監督が降旗さん、主演が岡田さんと聞いて、個人的な思いですが、健さんに対する追悼が出来ないかと。カメラマンとして(作品に)つくので、この映画に健さんの思いを込めて映像に表現しようと思いました」と語るように、高倉さんへの思いが詰まった作品となった。

 岡田は、高倉さんへの思いを聞かれ、次のように語った。

 「僕にとって、健さんは特別な存在。自分なりの思い出もありますし。スペシャルな方なので、僕は健さんになれるとは全く思っていないし、比べていただくのも恐縮するし、おこがましい。自分にとっては、とても大きな方ですので。そうですね…健さんの背中を、後ろ姿を追いかけて今後、精進していき、1ミリでも健さんに近いことが出来るように、年を重ねていけたらと願う最中です」

 岡田は、15年3月に第38回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、同助演男優賞の2冠に輝いた際、78年の第1回で主演男優賞受賞した、高倉さんへの思いを語った。その中で、14年に高倉さんから「行けないので代わりに行ってほしい。役者として勉強してきなさい」と託され、映画「七人の侍」(1954年)で知られる名優・志村喬さんの、兵庫県朝来市にある記念館を訪問したこと、人づてにアドバイスも受けていたことを明かしていた。この日の会見でも「役者として助言であったり、人づてにいただきました」と感慨深げに語った。

 降旗監督は、高倉さんと岡田に通じる部分について聞かれ「斜め後ろからの姿ですね。背は健さんの方が高いですけど、1人の人間の姿としては、同じようなもの、同じような人生を背負って生きているような感じが斜め後ろからの背中に共通しているんじゃないかなと思います」と語った。

 木村カメラマンも「斜め45度です。健さんは基本的に受けて立って、主役をやっていた俳優さん。周りに全部しゃべらせ、黙って何かを出し、感じさせた。僕が1番、健さんが好きなのは後ろ姿…人生全てを感じます。そういうのを、岡田さんから感じるかな」と同意した。【村上幸将】